最近読んだ本について、しばらく書いていなかったので今日は久しぶりに書いてみたいと思います。
「沈まぬ太陽」 山崎豊子著
「白い巨塔」とか「華麗なる一族」とかの著者で有名な方です。
内容は、日本の航空会社(明らかにJALとわかる)の社内の不条理や、腐敗、政治家との癒着、ジャンボ機墜落に対する安全と倫理を主人公を介してさらけ出した作品です。
主人公が、会社及び経営陣の意向と違う行動を取った事による、流刑とも取れるような僻地への配属の繰り返しの報復人事に始まり、同志と思っていた同期ライバルの裏切り。
経営陣の、安全性向上よりも利益追求主義。天下り役人の事なかれ主義や裏金、リベート、横領・・・・。
その中で主人公が、どう自分の位置を確立していくか。
とゆうのが、おおまかなあらすじです。
「アフリカ編」「御巣鷹山編」「会長室編」と3部に分かれていて、特に「御巣鷹山編」のジャンボ機墜落の場面では、つい涙が・・・・。
登場する社名や、政治家などの登場人物は仮名を使っていますが、少し考えれば実在のものばかりで、特にジャンボ機墜落の犠牲者の方、遺族の方に至っては全て実名です。
もし、小説の内容がすべて事実であれば、時代が変わったとはいえ、怖くて飛行機には乗りたくなくなります。
ただ、主人公=善、ライバル及び経営陣=悪の構図がはっきりしすぎてて、ん?と思うところもあります。
実際はそう簡単に割り切れる問題ではないのでしょうが、小説としては、なかなか読み応えのある面白い作品でした。
posted by マイスターの親方 at 18:29| 大阪 ☁|
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